CaterpillarとLuck Stoneが新しい業界ベンチマークを打ち立てる
Caterpillarの自律式運搬システムであるCat® MineStar™ Command for haulingは、鉱業で10年以上前から存在する最大の課題に対処しています。世界の最も過酷な環境にある採鉱地における安全性と生産効率の向上に役立っているのです。
今日では、その実証済みの自律化技術が新たな業界の課題に取り組み、新たなマイルストーンを達成しつつあります。当社初の採石分野において、Cat 777トラックのフリートがLuck Stone Bull Runプラントで稼動中です。本稼働開始後まもなく、同プラントは有人機と同等の生産性水準に到達し、数か月のうちに自律運転による運搬量は100万トンに達しました。
Luck Stoneは、家族経営による米国最大の砕石および砂、砂利のメーカーであり、人々の安全性の強化、パフォーマンス向上、機会提供の方法においてイノベーションを採用してきた長年の歴史を持っています。次の段階に前進すべきと判断したタイミングで、同社はCaterpillarと共同で、米国バージニア州シャンティリーのBull Runプラントで自律式運搬システムを導入することにしました。
「自律化を進めるにあたり、どのパートナーと組むべきかを検討した際、Caterpillarが常に一番の選択肢でした」とLuck Companiesの社長を務めるRichard Luck氏は述べています。
この導入により、Luck Stoneは、同社の中核となる価値観を土台に、人を中心としたオペレーションを継続していく機会を得ました。技術に関わる新たな機会を提供し、既存の従業員のスキルの幅を広げることで、人々が成長できる環境を創出しています。
この共同プロジェクトは、Caterpillarにとっても重要な機会となりました。40年近くの自律化開発の経験と、鉱業での12年以上の商用展開の実績を基盤として、採石業界特有のニーズに対応するソリューションを構築することができました。
このマイルストーンは、Command for haulingによる運搬が、従来の大規模鉱山用途にとどまらず有効であることを示すものであり、安定した再現性の高いパフォーマンスと安全性の向上を求める、さらなるお客様に対して高度な技術を提供していくための基盤となります。
CaterpillarのLuck Stoneとの協業では、Bull Runにおいて大きな効果が実証されています。重機との接触機会を最小限に抑えることで安全性を高めたり、一貫性と効率を向上させ、従業員が成長し、学び、スキルを高めたりすること等が可能になりました。
「人の可能性を引き出す」ことを使命とし、従業員やコミュニティに新たな機会を生み出してきたLuck Stoneにとって、現在および将来の人材に前向きな影響を与えられることは、特別な意義を持ちます。
「Bull Runでは、粉砕機の解体作業を肩を並べて共に行ってきた仲間がいますが、現在ではネットワークから日々の運用に至るまで、この自律化プロジェクトのあらゆる主要分野を主体的に運営し、リードしています」とLuck氏は語ります。
Luck Stoneが採石分野における自律化の最前線に立っているのは、決して偶然ではありません。「企業として、何もせず変化が起こるのを待つという選択肢と、一歩踏み出してその変化を引き起こす要因の一部に自らなることを選ぶという選択肢があると私は考えています。私たちが気づいたのは、一歩踏み出して取り組むことで、人の可能性を引き出すという当社の使命の達成に実際に役立つ、ということです。将来が非常に楽しみです。献身的で先見ある人材で構成された当社のチームが、この業界における可能性の基準を打ち立てていくことにわくわくしています。
私たちの目的は、これまでも、そしてこれからも、常に“人”です。それが、当社が特別である一番の理由だと考えています」
鉱山と採石場には、業務の安全性向上のための技術活用など、多くの共通点があります。しかし、採石場には、Bull Runでの自律化導入にあたり、考慮すべき異なる課題も存在します。
採石場は複雑で常に変化しており、現場では多くの作業が行われています。そのため、有人機と自律機との接触機会が増え、こうした状況下での安全確保が極めて重要です。
Bull Runのような採石業務にとって、自律化による効率性と生産性に関する利点は重要ですが、同時に、製品の現地の需要に応えるための一貫性と効率向上にも努めています。
また、労働力の確保という課題にも直面しています。採石場は人口が集中している地域の近くにありますが、他の企業と人材層が重複するため、作業者の確保が困難となる場合があります。そうすると、もし4台のトラックのうち1台でも作業者不足で稼働できない場合、その日の生産量が4分の1減少してしまいます。
こうした課題を探求し、理解したことで、CaterpillarとLuck Stoneは、人材の役割を明確にし、採石業界での自律化に特有の要件に対応できるよう、プロセスを調整する機会を得ました。
CaterpillarとLuck Stoneは協力して自律化への移行に対応しました。当社の担当者のほか、現地のCatディーラーであるCarter Machineryの担当者が現場に配置され、構成要素技術の導入、変革推進の取り組みの支援、そして現場リーダーと連携しながら、自律化運用の成功に不可欠な運用プロセスや手順の開発を行いました。
「Caterpillarとは数十年にわたり、素晴らしい関係を築いてきました」とLuck氏は話します。「もし当社がCaterpillarを選んだという形だったら、自律化は実現しなかったでしょう。そうではなく、Caterpillarとは、共にソリューションを形成することができました。Caterpillarは、当社を単なる製品の試験場所として見なすことはありませんでした。当社の考えを聞こうとし、フィードバックを求めてきたのです」
導入に備えるため、CaterpillarのチームメンバーはLuck Stoneの複数の現場に訪問し、同社の業務について学び、社員の役割と責任を理解し、同社のニーズに応えるためにシステムをカスタマイズできる機会を模索しました。当社はLuck Stoneの事業について確実に深く理解し、鉱業分野での当社の業務の成果に基づいて先入観で判断することはしたくないと考えました。
たとえば、Bull Runでは、当社の鉱業分野の大手のお客様ほどMineStar内の機能を利用していないため、現場のコスト面の要件により一致するように、ソリューションが簡素化されました。研修に関しても、利用している機能のみに絞るように簡素化されています。これにより、導入期間を短縮し、コストを削減することができました。
2024年11月、この自律化ソリューションはLuck Stoneで「本稼働」のマイルストーンを達成しました。2025年7月には、自律化されたCat 777トラックのフリートの運搬量が100万トンに達し、稼働開始から1年で、単一シフト運用のCommand for haulingにより累計200万トン以上を運搬しました。これまでに、負傷事故は一切報告されていません。
Caterpillarとしては、この共同プロジェクトを通じて、採石業界での成功に向けた、技術とプロセスの両面を変革するための専門性を高めることができました。この知見は、より良いく持続可能な世界を構築していくうえで、お客様が直面する最も困難な課題の解決に貢献する当社の自律化技術の加速を支えています。